本当に恐ろしい消費税納付
2017/09/07 経営・税務
創業間もない方や業種によっては消費税の申告がないこともありますが、多くの事業主の方は消費税の申告、納付を行っていらっしゃいます。
消費税は、売上で預かった消費税と経費で支払った消費税との差額を納付するということが基本的な考え方です。したがいまして、通常は預かる消費税のほうが多いことから、納付ができないということは理論的にないはずです。
私も開業当初は申告義務のない時期がございました。その当時は関与先の方に「お客様から消費税はもらっていますよね?だったら納付できますよね!」と当たり前のようにお伝えしていたことを思い出します。
しかし、実際に消費税の申告をするようになると、この消費税の納付がそんなに簡単でないことを実感します。税理士である私自身も、毎月消費税分の積み立てをしておりますが、頭では「預り金」であると理解していても、いざ納付期日に通帳から消費税額がなくなりますと、絶望的な気持ちになってしまいます。
コツコツと消費税用に積立などを行い、なんとか納税できる状況であればよいのですが、
実際に手元に納税資金がないことも少なくありません。
それは、売上と合わせて消費税そのものをお客様から預かるため、売上であるような錯覚をしてしまい、つい新しい事業や設備投資などに利用してしまうことが原因かもしれません。あるいは、ちょうどその時期に仕事上のトラブルに見舞われ、突発的な支出が発生することもあるからかもしれません。
そのような状況において、納付時期に納税資金の不足が予想される場合は、融資などを利用してなんとか納付する方法を考えるわけです。しかしこの融資は設備資金等の融資ではないため、決して利益を生まない、つまり税金の分割払いに過ぎません。(ただ、税務署に延滞税を払うことを考えると金融機関の利息のほうが安いことが多いです。)
そしてこれを繰り返すことにより資金繰りに追われ、本業に集中できない状態へと陥ってしまいます。
ではこれを防ぐにはどうすればよいか?
これはやはり「毎月の売上から消費税の納税用に積立をしておく」以外にはありません。
なかなか難しいことは十分に承知しておりますが、是非実践してくださいませ。
この記事の監修者
税理士
阿原清史
神戸すえひろ税理士法人
代表社員
税理士法人番号 第3774号
税理士登録番号 95483
大阪の会計事務所で実務経験を積んだ後、上場を目指すIT関係の企業に入社して、地元神戸で税理士事務所を開業いたしました。
皆様方と一緒に、活気ある神戸を目指して盛り上げていきたいと思います。