「社会保険労務士」って何?
     

会計コラム

「社会保険労務士」って何?

2017/09/01 社労士の雑感

「社会保険労務士」とはどんな仕事する人ですか?というご質問を受けることがしばしばございます。社会保険労務士は国家資格ではあるのですが、同じ国家資格者である弁護士や税理士に比べて圧倒的に認知度が低いのが現実です。例えば全企業中に占める、士業者が関与している企業の割合を関与率と言いますが、税理士は関与率が9割、社会保険労務士は3割程度ではないか、と言われております。
そこで今回は社会保険労務士について、少し書いてみたいと思います。

よく企業の成長に必要なものとして、「人、モノ、お金、情報」などと言われたりします。税理士はこの中の「お金」の専門家と言えると思います。
そして社会保険労務士は、「人」に関する専門家、ということになります。

企業が発展していきますと、「従業員を雇う」という段階がやってきます。
その時に、いかに従業員の方々と良好な関係を築き、生産性を高めて企業として成長していくか、というところが社会保険労務士の仕事の一番の目的になります。
具体的には、労使が良好な関係を維持するための就業規則の作成・見直しとか、昨今非常に話題になっている「過労死」「未払残業」などの問題を防ぐための、適切な労働時間管理のアドバイスや給与計算などになります。

また、従業員を雇いますと、労働保険や社会保険への適正な加入が必要となりますが、これらの法律は法改正も多く、手続きも煩雑になりがちです。
これらの手続き代行も社会保険労務士の仕事となります。

それから、国が推進している方向性に沿って、労働基準法などを守り、必要な帳簿を整備してきっちりと労務管理を行なっている企業に対しては、国は政策として雇用関係助成金を支給しております。
こちらの支給申請の代行も社会保険労務士の専門です。

そして、「特定社会保険労務士」であれば、不幸にして従業員の方と労働に関するトラブルが起きてしまったとき、裁判で争う前に、お互いの話し合いによって、あっせんや調停、仲裁といった手続きで紛争の解決を図るADR(裁判外紛争解決手続)の代理業務も行います。

これからは、日本の人口構造上の問題で、人手不足の時代が続くのではないかと言われております。そうしますと、従業員の皆さんには末永く活躍してもらって、企業の発展に寄与してもらう必要性がますます高まります。
その一助になることができれば、というのが社会保険労務士の願いです。

この記事の監修者

税理士 阿原清史

税理士
阿原清史

神戸すえひろ税理士法人
代表社員

税理士法人番号 第3774号
税理士登録番号 95483

大阪の会計事務所で実務経験を積んだ後、上場を目指すIT関係の企業に入社して、地元神戸で税理士事務所を開業いたしました。
皆様方と一緒に、活気ある神戸を目指して盛り上げていきたいと思います。