家族が亡くなったら必要になる公共料金手続き|解約・名義変更方法を解説
     

相続コラム

家族が亡くなったら必要になる公共料金手続き|解約・名義変更方法を解説

2026/01/26 相続手続

家族が亡くなると、葬儀や役所の届け出、相続の準備などに追われる中で、意外と後回しになりやすいのが「公共料金(電気・ガス・水道)」の手続きです。契約者が故人のままだと、使っていないのに基本料金が発生し続けたり、支払い口座が凍結されて引き落とし不能になったりと、トラブルの火種になりがちです。

この記事では、公共料金の手続きでまず押さえるべき判断(解約か名義変更か)から、電気・ガス・水道それぞれの進め方、あわせて見落としやすい周辺サービス、そして「口座凍結」との関係まで、迷わず動けるように整理して解説します。

公共料金手続きは「解約」か「名義変更」かを最初に決める

公共料金の手続きは、やること自体はシンプルです。基本は「今後その家で使うかどうか」で決まり、使わないなら解約、使うなら名義変更(承継)が原則になります。とはいえ、相続や遺品整理の都合で、すぐに止めると困る場面もあります。たとえば空き家の片付け中は、照明・掃除機・給湯などで電気や水道が必要になることが多く、焦って解約すると作業が進みません。

一方で、ガスは基本料金が発生しやすく、立ち会いの要否も絡むため「いつまで使うか」を先に決めるとスムーズです。まずは、故人宅をいつまで維持するか(退去・売却・相続登記・片付け期間)を大まかに見立て、その期間に合わせて手続きを設計しましょう

家族が亡くなったらすべき公共料金の解約・名義変更

公共料金の手続きで最初にやるべきことは、契約会社(契約先)と契約情報を特定することです。電気・ガスは自由化により、地域の大手だけでなく新電力・新ガス会社を契約していることがあります。水道は自治体の水道局が窓口です。

探し方のコツは、検針票、請求書、領収書、口座振替の明細、クレジットカード明細を確認すること。ここに「お客さま番号」「供給地点特定番号」「契約番号」などが載っているケースが多く、電話やWeb手続きが一気に進みます。書類が見つからない場合でも、氏名・住所・メーター番号等から照会できることがあるので、まずは契約先に「契約者が亡くなった」旨を伝え、案内に沿って進めるのが近道です。

なお、解約か名義変更かが決まっていない段階でも、「支払いが滞りそうか(口座凍結の可能性)」は先に確認しておくと安心です。

電気の解約・名義変更の方法

電気は、契約している電力会社(新電力を含む)に連絡して手続きします。一般的には、①故人の契約情報の確認(契約番号・供給地点特定番号など)→②解約か名義変更(承継)かの選択→③最終使用日・精算方法の確定、という流れです。Webで受付できる会社もありますが、死亡に伴う承継は電話や書面が必要な場合もあるため、案内に従いましょう。

注意したいのは、故人が一人暮らしだった場合でも、遺品整理や空室管理で電気が必要になることが多い点です。すぐ解約すると、照明が使えず作業が難航したり、冷蔵庫・換気・防犯面で困るケースもあります。退去日・明け渡し日、片付け完了日を目安に「いつ止めるか」を決めると失敗しにくいです。名義変更する場合は、支払方法(口座振替・クレカ)も新契約者に切り替える必要があるため、引き落とし口座までセットで変更する意識を持ちましょう。

ガスの解約・名義変更の方法

ガスは、契約しているガス会社(都市ガス・LPガスを含む)に連絡して進めます。基本の流れは電気と同様ですが、ガスは閉栓作業が関係するため、解約時の段取りが重要です。都市ガスは立ち会い不要のことも多い一方、物件や契約形態によっては立ち会いが必要になる場合があります。LPガスは容器の撤去や業者対応が絡むこともあるため、早めに日程調整しておくと安心です。

また、ガスは利用が少なくても基本料金が発生しやすく、締め日をまたぐと「使っていないのに請求が来た」と感じる原因になりがちです。相続手続きや片付けの都合で一時的に必要な場合は、「いつまで使うか」を決め、使わなくなった時点で解約に切り替えるのが合理的です。名義変更する場合は、開栓情報・安全確認の案内があることも多いので、引継ぎ先(新契約者)の本人確認書類や支払方法の準備をしておくと手続きが進みやすくなります。

水道の解約・名義変更の方法

水道は自由化されていないため、窓口は各自治体の水道局(または上下水道局)になります。手続きは、電話・窓口・Web申請など自治体により異なりますが、概ね①使用者(契約者)の変更または中止の申出→②最終使用日や検針・精算方法の確定、という流れです。請求書や検針票に「水栓番号」「お客さま番号」が載っていることが多いので、連絡前に手元に用意するとスムーズです。

水道は、遺品整理や空き家管理で何かと使う場面があり、早期解約が不便につながりやすい代表例です。掃除・片付け・庭の管理・水回りの通水など、止めるとできない作業が一気に増えます。そのため、すぐ住まない・使わない予定でも、片付け期間が残っているなら「名義変更」または「解約時期を遅らせる」判断が現実的です。名義変更する場合は支払方法も新しい契約者に切り替える必要があるため、口座振替の登録(または請求書払いへの切替)の案内を確認して進めましょう。

公共料金以外に解約・名義変更が必要なサービスは?

公共料金を片付けたと思っても、毎月固定で引き落とされているサービスはほかにも多数あります。見落としが多いのは、通信(固定電話・携帯・インターネット)、NHK、サブスク(動画・音楽・クラウド)、クレジットカード、各種保険、賃貸の付帯サービスなどです。特にスマホやメールアドレスは、二段階認証や各種IDのログインに直結しているため、焦って解約すると、後で「パスワード再設定ができない」「契約一覧にアクセスできない」といった支障が出ることがあります。

まずは、口座振替明細・クレカ明細・メールの請求通知をもとに、毎月の引き落とし先を洗い出し、「継続する(名義変更)」「不要なので止める(解約)」に分類しましょう。固定電話のように名義変更が可能なものもあれば、クレジットカードのように名義変更ができず解約のみのものもあります。手続きが多くて混乱しやすい場合は、“住まいに紐づくもの(回線・水道・電気)”と“個人に紐づくもの(カード・携帯・サブスク)”に分けると、優先順位を決めやすくなります。

公共料金が引き落とされている銀行口座が凍結される?

結論から言うと、故人名義の銀行口座は、金融機関が死亡の事実を把握すると凍結され、原則として入出金や口座振替(引き落とし)ができなくなる可能性があります。そのため、公共料金を故人の口座振替で支払っていた場合、タイミングによっては引き落としが止まり、未払い(滞納)状態に移行してしまうことがあります。

ただし、口座が凍結されたからといって、公共料金の支払い義務が消えるわけではありません。請求書が郵送に切り替わったり、支払方法の変更が求められたりするだけで、最終的には相続人や実際の使用者が精算する必要が出てきます。生活インフラが止まるリスクを避けるには、早い段階で「名義変更」と「支払方法の切替」をセットで進めるのが安全です。

口座凍結が心配なときの現実的な対処は、次の3つです。
1つ目は、公共料金の契約先に連絡し、請求書払い(払込票)に一時的に切り替えること。これなら口座凍結の影響を受けにくく、当面の未払いを防げます。2つ目は、名義変更と同時に、新しい引き落とし口座やクレジットカードへ支払方法を変更すること。会社によっては口座振替依頼書の提出が必要で、反映まで時間がかかることもあるため、切替が完了するまでの“つなぎ”として請求書払いを挟む判断も有効です。3つ目は、解約予定なら、最終精算(最後の請求)の支払い方法と支払期限を確認し、凍結後でも支払える手段を確保することです。

「いつ凍結されるか」は家庭ごとに異なり得るため、公共料金の手続きは“早すぎると困るが、遅いと不払いになる”というバランスになります。遺品整理の期間や住まいの今後を見立てたうえで、止める・引き継ぐ・支払うの順に整理して進めましょう。

家族が亡くなった後の公共料金手続きは、基本的に「使わないなら解約」「使うなら名義変更(承継)」で判断できます。最初に、契約先(電気・ガスは自由化で多様、水道は自治体)と契約情報(検針票・請求書・口座明細)を確認し、連絡して手続きを進めましょう。電気や水道は遺品整理で必要になることが多く、焦って止めると作業が進みにくくなるため、解約時期は“片付け完了日”から逆算するのが安全です。

また、公共料金以外にも通信、NHK、サブスク、クレジットカードなどの固定費が残っていることが多いので、口座・カード明細から洗い出して漏れを防ぐことが大切です。さらに、故人名義の口座が凍結されると口座振替が止まり、公共料金が未払いになり得ます。名義変更と同時に支払方法の切替(新口座・クレカ・請求書払い)まで進めると、生活インフラの停止リスクを抑えられます。

「手続きが多くて混乱しそう」と感じたら、まずは公共料金を“止める/引き継ぐ/支払う”の3点に分解して、できるところから一つずつ片付けていきましょう。

この記事の監修者

税理士 佐野理子

税理士
佐野理子

相続担当税理士として、お客様からのご相談をお受けさせていただいております。
これまで多くの相続税申告に携わってまいりました経験をもとに、相続人のみなさま方の立場に立ってご相談をお受けし、申告業務を進めさせていただきます。

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