終活って具体的に何をすべき?終活のメリットも紹介
     

相続コラム

終活って具体的に何をすべき?終活のメリットも紹介

2024/06/26 相続コラム

昨今、広く定着している「終活」という言葉。

この終活に取り組むことでどのようなメリットがあるのでしょうか?

本記事では、終活をするメリットや終活として取り組むべきことなどをご紹介します。

終活とは

終活とは、人生の最後の段階に向けて行う準備や活動のことを指します。これは単に死後の手続きを整えるだけでなく、残りの人生を充実させ、自分らしく生きるための前向きな取り組みでもあります。

終活の目的には、自分らしい人生の締めくくりを考えること、遺された家族に負担をかけないよう事前に準備すること、そして自分が望む医療や介護について考え、伝えることが含まれます。

具体的な活動としては、身の回りの不要な物の整理や処分、財産の管理と相続の準備、葬儀や墓についての希望を決めること、思い出の整理やエンディングノートの作成、人生の振り返りと感謝の気持ちを伝えることなどが挙げられます。

終活は、自分の人生を主体的に締めくくる機会となり、家族との絆を深めるとともに、残された時間を大切に使うきっかけにもなります。

必ずしも全ての人が行わなければならないものではありませんが、人生の質を高め、周囲の人々との関係を深める機会として、最近では注目を集めています。

年齢や状況に応じて柔軟に取り組むことができる終活を通じて、自分の人生を見つめ直し、残りの時間をより豊かに過ごすことができるでしょう。

終活を行う3つのメリット

ここでは、終活に取り組むことで得られるメリットについて解説します。

①老後の不安を解消し、残された人生を前向きにとらえられる

終活は、実は自身の残された生活を前向きにとらえることに繋がります。単に死後のことを整理するだけでなく、これからの人生をどのように歩んでいきたいかを具体的に描く機会となるからです。

まず、終活は残りの人生でチャレンジしたいことを明確にする助けとなります。「バケットリスト」を作成し、やりたいことや達成したい目標を書き出すことで、人生に新たな意欲と方向性が生まれます。

次に、老後の資金計画を立てる良いきっかけにもなります。必要な資金を具体的に算出し、準備することで、経済面での不安を軽減できるでしょう。

また、自分の資産をどのように次世代に引き継ぐかを考えることで、家族の将来にも思いを巡らせることができます。

そして、終活を通じて家族との対話が促進されることも大きなメリットです。

自分の考えや希望を伝え、家族と話し合うことで、互いの理解が深まり、漠然とした不安が具体的な課題として明確になります。その課題に対して一緒に解決策を見出すこともできるのです。

このように終活は、未来の自分と大切な人々のために、今できることを考え実行する過程です。

この取り組みを通じて、老後への不安が解消され、残りの人生をより充実させ、前向きに生きる力が得られるでしょう。

②遺産相続に関するトラブル防止に繋がる

終活は、遺産相続のトラブルを防ぐこともできます。遺産相続は、家族間で予期せぬ紛争を引き起こす可能性のある繊細な問題です。

相続人それぞれが考える「公平」が異なることや、不動産など物理的に分割しにくい財産の存在、借金などの負の遺産の取り扱い、そして故人の意思が不明確な場合など、様々な要因でトラブルが発生しやすくなります。

これらの問題を未然に防ぐため、終活では遺言書の作成が有効な対策となります。

遺言書を通じて自分の意思を明確に残すことで、相続人間の解釈の違いを減らし、法律(遺留分制度など)を考慮しながら公平で実現可能な財産分配を計画できます。

また、終活の過程で家族との対話を重ねることで、相互理解を深められ、相続に関する家族の希望や懸念も知ることができるでしょう。

なお、必要に応じて弁護士や税理士などの専門家に相談し、法的・税務的に適切な相続計画を立てることも検討しましょう。

③家族の負担を軽減できる

終活は、残された家族の負担を軽くできることがあります。大切な人を亡くすことは、家族にとって精神的に大きな負担となりますが、それに加えて死後の手続きや諸々の対応も重くのしかかります。

終活、特にエンディングノートの作成を通じて、この負担を大幅に軽減することができます。

例えば、自分が望む葬儀の形式や規模、参列してほしい人のリストを事前に記しておくことで、家族は迷うことなく葬儀の準備を進められます。

終活を通じて自分の意思や必要な情報を整理し、エンディングノートなどの形で残しておくことは、残された家族の負担を大きく軽減します。

それは単に事務的な手続きを簡略化するだけでなく、家族が悲しみに向き合い、故人を偲ぶ時間的・精神的余裕を与えることにもつながります

終活は自分自身のためだけでなく、最愛の家族への最後の思いやりの行為とも言えるでしょう。

終活でやるべき8つのこと

ここでは、終活の取り組みとして代表的な8つの方法をご紹介します。

①やりたいことリストを作成する

終活の一環として「亡くなるまでにやりたいことのリスト」を作成することは、人生の最後を見据えた重要な取り組みです。

このリストは、日々の忙しさに埋もれがちな自分の真の願望や目標と向き合う機会を与えてくれます

リストを作ることで、残りの人生をより充実させ、自己理解を深め、家族や友人との絆を強める機会にもなるでしょう。

②財産に関する一覧表を作成する

自身の財産に関する情報をまとめておくことで、財産管理が難しくなってきた場合に備えることができます。

具体的には、不動産の登記簿情報、預貯金の口座詳細とおおよその残高、株式や投資信託などの証券情報、生命保険や損害保険の契約内容、ローンや借入の状況、貴重品の保管場所、さらにはデジタル資産の情報まで、幅広い財産情報を網羅します。

この一覧表を作成することで、今後の人生設計や資産運用の方針を再考する良いきっかけにもなるでしょう。

③断捨離をする

断捨離は、残された家族の遺品整理の作業的・金銭的負担を軽減することができます。

さらに、自分の生活空間を改善するだけでなく、心の整理をする機会にもなります。

不要となった物は、家族や友人に譲る、リサイクルショップやオンラインマーケットで売る、チャリティー団体に寄付するなど、処分以外の方法も柔軟に考えられると良いでしょう。

④老後の資金計画を立てる

老後の資金計画を進めることで、人生の最後まで自分らしく、安心して暮らすための重要な基盤を築くことができます。

実際に必要な金額は、個人の生活スタイルや健康状態、居住地域、家族構成など、様々な要因によって大きく異なります。

効果的な老後資金計画を立てるには、主に以下の方法が挙げられます。

これらの方法は、早い時期から取り組むことでより理想的に進めることができるでしょう。

⑤医療と介護に関する自身の考えを表明する

介護が必要になったり、認知症を発症したりした場合、どのような医療や介護の手段を選択したいかを明確にしておくことが大切です。

認知症に備えて家族信託や成年後見制度の利用を検討しても良いでしょう。

こうした意思表明には、自己決定権の尊重、家族の負担軽減、適切な医療・介護サービスの受診など、多くのメリットがあります。

⑥遺言書を作成する

遺言書は、遺産相続に関するトラブルを防ぐための終活の中でも重要な取り組みの一つです。

遺言書には主に自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

弁護士や公証人などの専門家のアドバイスを受けながら、自分に最適な遺言書を作成することも検討しても良いでしょう。

⑦エンディングノートを作成する

エンディングノートとは、自分の人生の記録や最後の希望、財産情報、大切な人へのメッセージなどを記す個人的な文書です。

書店やインターネットで購入できるほか、オンラインのテンプレートを利用することもできます。

内容には人生の記録、財産情報、医療・介護の希望、葬儀・お墓の希望、大切な人へのメッセージ、パスワード情報などが含まれます。

エンディングノートは法的効力を持つ遺言書とは異なりますが、自分の思いや希望を残すことで、より充実した人生の締めくくりの一助となるでしょう。

⑧相続税の対策をする

相続税対策は、残される家族の経済的負担を軽減し、円滑な資産承継を実現するための重要なステップです。

対策の基本として、正味の遺産総額と基礎控除額を正確に計算し、課税の有無や課税額を把握しましょう。

主な対策方法には、生前贈与の活用、不動産の有効利用、生命保険の活用、相続時精算課税制度の利用、自社株対策などがあります。

相続税対策は複雑で専門的な知識が必要なため、税理士、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談し、自分の状況に合った最適な対策を講じることが望ましいでしょう。

終活は、人生の最終章を自分らしく締めくくるための重要な準備活動です。

なにより、自分だけでなく残された家族にとってもメリットの多い取り組みです。

本記事を参考に、自分に合った終活を進めてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

税理士 佐野理子

税理士
佐野理子

相続担当税理士として、お客様からのご相談をお受けさせていただいております。
これまで多くの相続税申告に携わってまいりました経験をもとに、相続人のみなさま方の立場に立ってご相談をお受けし、申告業務を進めさせていただきます。

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