相続税の申告に必要な書類は?財産の種類ごとに異なる添付書類の紹介
     

相続コラム

相続税の申告に必要な書類は?財産の種類ごとに異なる添付書類の紹介

2024/08/29 相続コラム

相続が発生した場合、相続人は速やかに相続財産の申告の準備を進める必要があります。しかし、申告に必要な申告書類の記入を始め、複数の添付書類の準備など、相続人には複雑な対応が求められます。そこでこの記事では、相続税の申告に必要な申告種類について解説していきます。

相続税を申告する人全員が提出必須の書類

相続税申告には、第1表から第15表までとかなりのボリュームのある申告書に加え、複数の添付書類を併せて提出する必要があります。また、添付書類は相続財産の種類によっても異なります。そこでここでは、相続税を申告する人全員に提出を求められる書類と、相続財産の種類ごとによって必要になる添付書類をそれぞれ紹介していきます。

相続税を申告する人全員が必須の書類

相続税の申告をする人全員には、以下の書類の提出が求められます。
  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのもの)
  • 除籍謄本
  • 被相続人の住民票除票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍の附票
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺言書(ある場合)
  • 遺産分割協議書(遺言書がない場合、遺言書に書かれていない財産がある場合)
これらの書類は、相続関係と財産の分配を証明するために不可欠です。市区町村役所で取得できるものがほとんどですが、遺言書や遺産分割協議書は別途準備が必要です。これらの書類を適切に準備することで、預貯金や不動産を相続した人々は、正確かつ円滑に相続税の申告を行うことができます。

相続する財産ごとに必要な添付書類

相続の申告をする際、相続財産の種類によっても、申告書に添付する書類の種類が変わります。そこでここでは、以下の相続財産ごとに必要な添付書類について紹介していきます。
  • 預貯金
  • 不動産
  • 有価証券
  • 生命保険金、死亡退職金
  • 債務

預貯金の相続財産がある場合に必要な添付書類

相続財産に預貯金が含まれる場合、その正確な金額と所有関係を証明するための書類が必要となります。主に以下の書類を準備する必要があります。
  • 預貯金の残高証明書(被相続人名義の全ての口座、相続開始時点(死亡日)の残高が記載されたもの)
  • 預金通帳のコピー(過去5年分の記帳を用意)
これらの書類は、各金融機関の窓口で取得できます。取得の際には、相続人の本人確認書類や被相続人との関係を証明する戸籍謄本などが必要となる場合があるので注意しましょう。

不動産の相続財産がある場合に必要な添付書類

相続財産に不動産が含まれる場合、その正確な評価額と所有関係を証明するための書類が必要となります。主に以下の書類を準備する必要があります。
  • 名寄帳
  • 不動産登記簿謄本(全部事項証明書を取得)
  • 住宅地図
  • 公図・測量図
  • 賃貸借契約書
名寄帳で、被相続人が所有していた不動産を把握することができます。ただ、名寄帳は市区町村で作成しているため、不動産が所在する市区町村ごとに発行してもらうことが必要です。不動産登記簿謄本を取得の際には、「一部事項証明書」と「全部事項証明書」の2種類から選ぶことができますが、相続の際に必要なのは「全部事項証明書」の不動産登記簿謄本なので注意しましょう。

有価証券の相続財産がある場合に必要な添付書類

相続財産に有価証券が含まれる場合、有価証券が被相続人のものであることを証明する書類が必要となります。
  • 社債、国債等取引残高報告書
  • 株主総会通知書
  • 配当金支払通知書
  • 顧客口座元帳
  • 直近3期分の決算書(非上場株式がある場合)
これらの書類は、有価証券の相続の申告時に必要な一般的な書類ですが、所有している有価証券の種類によっても異なるので、証券会社や信託銀行に確認が必要です。

生命保険金や死亡退職金の相続財産がある場合に必要な添付書類

生命保険金には、「500万円×法定相続人の数」が非課税となる特例が使用できますが、添付書類が必要になります。 支払調書は、保険会社で発行してもらうことができます。

マイナスの財産を相続する必要がある場合に必要な添付書類

相続財産に債務が含まれる場合、その正確な金額と内容を証明するための書類が必要となります。主に以下の書類を準備する必要があります。
  • 借入残高証明書(相続開始時点である死亡日の残高が記載されたもの)
  • 金銭消費貸借契約書(金融機関以外からの借り入れがある場合)
  • 未納の租税公課の納税通知書
  • 未払い金の領収書
本来、被相続人本人が支払う必要があったものは、相続財産から差し引くことが可能ですが、相続後に発生した相続手続き費用や税理士への依頼料などは、相続人が負担する必要があります

相続税の申告を自分で手続きする際のポイント

相続税の申告を自身で行う場合、まず重要なのは期限の厳守です。相続開始を知った日から10ヶ月以内に申告・納付を完了させる必要があるため、余裕を持って準備を進められると安心です。 また、各種控除が適用できるかも、漏れなく確認しましょう。基礎控除や配偶者の税額軽減など、適用可能な控除を確認し、最大限活用することで納税額を適正に抑えられます。その他、被相続人の債務や葬式費用は、控除対象となる可能性もあります。 相続税申告書は、国税庁のウェブサイトからダウンロードが可能です。申告書の記入や添付書類の準備が済んだら税務署に提出します。なお、相続税の申告は専門知識を要するため、不安がある場合は税理士に相談することをお勧めします。 相続税の申告は、相続した財産の種類によって、必要な準備が異なります。専門家への依頼も視野に入れながら、このコラムを参考に、相続手続きに向けて準備を進めてみてください。

この記事の監修者

税理士 佐野理子

税理士
佐野理子

相続担当税理士として、お客様からのご相談をお受けさせていただいております。
これまで多くの相続税申告に携わってまいりました経験をもとに、相続人のみなさま方の立場に立ってご相談をお受けし、申告業務を進めさせていただきます。

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