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遺言の相談は税理士に|3つのメリットと遺言書の作成方法を徹底解説
2024/01/30 生前対策
目次
家族や相続人に遺言を遺したいけど、税理士に相談するか、あるいは自分自身で作成するか迷っている方もいるのではないでしょうか。そこでこのコラムでは、
- 遺言書について
- 遺言を税理士に相談するメリット3つ
- 遺言書の作成方法
- 遺言書作成のメリット、デメリット
- 自筆証書遺言が無効にならないためのポイント
など、税理士に相談し遺言書を作成する上で必要な情報を紹介します。
遺言書とは
遺言書とは、亡くなった人が生前、自分の死後に残る財産をどうするのかを記した文書のことです。この遺言書を作成するために、亡くなった人、すなわち被相続人は、誰に、どのくらいの財産を残すかを決める必要があります。なお、遺言書には「いごんしょ」「ゆいごんしょ」のふたつの読み方があります。
また、似ている言葉に「遺書」がありますが、遺書は法的な効力を持ちません。遺書は、自分の伝えたい気持ちや感謝を綴る「手紙」です。
遺言を税理士に相談する3つのメリット
遺言書を作成したいとき、主に以下の専門家に相談できます。
- 税理士
- 司法書士
- 行政書士
- 弁護士
- 信託銀行
遺言書の内容で代表的なものは、財産についてです。故人の遺産に関する相続内容を記す遺言書だからこそ、税金の専門家である税理士への相談が適しているといえます。そこでここでは、遺言書の作成を税理士に相談するメリットを3つ紹介します。
①税金に関する専門知識を有する
税理士は、個人や法人の税金を法律に基づき計算・申告する専門家です。そのため、税金に関する豊富な知識を持っています。遺言書作成の際には、資産分配や相続税の節税方法を提案してくれるでしょう。
②相続税の金額を想定できる
相続してもらう予定の遺産金額を基に、税理士に相続税を試算してもらうことで、相続税の金額を想定することが可能です。相続税が発生する場合においても、実際に納税をするまでの計画が立てやすいでしょう。
③二次相続を考慮できる
遺産を相続した配偶者が亡くなった場合、新たに相続が発生します。これがすなわち「二次相続」です。故人から財産を相続した配偶者は、配偶者向けの控除や非課税枠を利用できる一方、二次相続では控除や非課税枠が活用できません。そのため税理士はこのような二次相続を想定した上で、相続プランを設計してくれるのです。
遺言書の作成方法
遺言書には4つの種類があります。ここで紹介するのは被相続人自身が作成する「自筆証書遺言」の作成方法です。
①所有する財産を把握する
まずは所有する財産をすべて洗い出します。財産を確認する方法には、以下のようなものがあります。
- 財産目録の作成
- 銀行取引明細の確認
- 不動産登記簿の確認
- 投資口座の確認
- 有価証券や保険証書の確認
財産を代表する上記項目を調べることで、確認漏れを防ぐことができるでしょう。
②財産に関する資料を揃える
所有する財産が明らかになったら、それを証明できる書類を準備しましょう。現金は金融機関の通帳、不動産は固定資産税の名寄帳もしくは課税明細書を揃えます。
③相続人と相続額を決定
この作業は、遺言書作成の一番重要な部分です。相続する人によって相続税額も変わってくるため、税理士などの専門家しながら決めるのが理想的です。
④自筆証書遺言を書く
自筆証書遺言の条件は、被相続人自身が書くことです。自筆証書は手書きであることも条件ですが、財産目録はパソコンで作成したものも認められています。
自筆証書遺言のメリット
上記で説明した通りに自筆証書遺言を書くことで、費用をかけることなく遺言書を作成することが可能です。また被相続人本人が遺言書を保管するため、じっくり検討したり、内容を変更したりなども行いやすいでしょう。
自筆証書遺言のデメリット
自筆証書遺言には一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 紛失しないように保管に気を付ける必要がある
- 様式や条件を満たさないと無効になる可能性がある
- 紛失や改ざんの危険性が伴う
このように相続の綿密な計画を練り、遺言書を準備したとしても、無効・紛失となってしまう可能性が少なからずあるということも注意が必要です。
自筆証書遺言が無効にならないためのポイント
法的な効力を持つ正しい遺言書を作成するために以下のポイントに気をつけましょう。
- 自分自身で書く
- 日付を記入する
- 訂正は適格に記載する
それぞれ詳しく解説します。
自分自身で書く
自筆証書遺言は、直筆であることが条件です。厳守しましょう。
日付を記入する
自筆証書遺言に記載される日付は、必須事項です。日付が特定できない遺言書は無効になるため注意しましょう。
訂正は適格に記載する
自筆証書遺言の内容を訂正する場合、訂正方法にも決まりがあります。訂正を入れる部分に二重線を引き、押印を押します。そしてそのそばに正しい内容を記入します。訂正後、遺言書の末尾に直筆で「〇行目〇文字削除〇文字追加」と追記し、署名します。訂正にも厳密なルールが設けられているため、訂正が複数個所発生する場合はすべて書き直すのがよいでしょう。
自分で遺言書を作成すれば、費用もかからず手軽に遺言を遺すことが可能です。しかし本コラムで解説したように、自筆証書遺言には同時に大きなリスクやデメリットが存在することにも注意しなければなりません。綿密に計画を練った相続プランを確実に遂行するためのひとつの手段として、税理士への相談がおすすめです。
この記事の監修者
税理士
佐野理子
相続担当税理士として、お客様からのご相談をお受けさせていただいております。
これまで多くの相続税申告に携わってまいりました経験をもとに、相続人のみなさま方の立場に立ってご相談をお受けし、申告業務を進めさせていただきます。