名寄帳の取得が必要なのはどんな時?揃える書類と注意点

土地や建物などの不動産財産を相続することになった被相続人の中には、相続財産について故人ときちんと話し合えていないケースも少なくありません。そんな時に役立つのが名寄帳(なよせちょう)です。このコラムでは、名寄帳に関する基礎知識、名寄帳を活用するシーン、そして活用時の注意点をまとめてご紹介します。

名寄帳とは

名寄帳とは、個人で所有する土地や建物の情報が確認できる書類です。この書類には、所有者の身元や不動産の評価額、登記の情報が記載されています。内容は、固定資産税納税通知書と一緒に送られてくる課税明細書と同様であるものの、名寄帳には、課税明細書には記載されていない非課税の不動産も含まれているという特徴があります。

ただし、個人が所有する日本全国の不動産が、名寄帳にまとめて掲載されているわけではありません。名寄帳は、市区町村ごとに作成されているため、個人が所有するすべての不動産を確認したい場合は、その土地や建物の所在地を管轄する市区町村を調べる必要があるのです。

名寄帳が必要となるケース

名寄帳の取得が必要になる代表的なケースを4つ紹介します。

監修者:税理士 佐野理子 (神戸すえひろ税理士法人)

相続担当税理士として、お客様からのご相談をお受けさせていただいております。
これまで多くの相続税申告に携わってまいりました経験をもとに、相続人のみなさま方の立場に立ってご相談をお受けし、
申告業務を進めさせていただきます。

目次

被相続人が所有する不動産を把握したいとき

故人の財産を相続する場合、相続税を正確に計算するために、故人の不動産の所有状況を把握する必要があります。しかし、中には不動産の保有状況や所在地が明確でないこともあるでしょう。そのような場合に故人が所有する土地や建物の情報が詳細に記された名寄帳を取得することで、被相続人が納税する相続税を正確に計算・把握することができるのです。

固定資産税の課税明細書がない

固定資産税納税通知書と一緒に送られてくる課税明細書でも、課税対象となる不動産の確認が可能です。しかし、手元に課税明細書がないケースも考えられます。そのようなとき、所有する不動産の情報が記載されている名寄帳を取得します。

固定資産税が非課税の不動産を所有している

所有する土地や建物の固定資産税が非課税であったとしても、相続税が必ずしも非課税になるわけではありません。そのため、固定資産税が非課税となっている不動産を所有する場合は、名寄帳を取得し、課税の有無に関わらず所有するすべての不動産を確認しましょう。

共有名義の不動産を所有している

不動産の所有が共有名義である場合、名寄帳には共有者のすべての不動産の所有状況が記されています。一方で、固定資産税の課税明細書が送られるのは共有者の代表者です。共有名義の不動産を所有しているが、代表者ではないというケースは、名寄帳できちんと確認することが必要です。

名寄帳の取得に必要なもの

名寄帳は一般的に、納税者本人と納税者の相続人、あるいはその代理人が取得できるものです。主に、以下の書類を揃える必要があります。

・所定の申請書
・印鑑
・本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
・故人の除籍謄本(相続人の場合は不要)、相続人の戸籍謄本

名寄帳の取得で気を付けたい5つのこと

不動産の登記や相続の協議で、手続きをスムーズに進めるのに役立つ名寄帳。もちろん名寄帳の取得も問題なく済ませられるのが理想です。そこで、名寄帳の取得の際に気を付けたい5つのポイントをご紹介します。

不動産が所在する市区町村ごとに取得する

名寄帳には、個人が所有する土地や建物の情報が記載されますが、名寄帳自体が市区町村ごとに作成されるものです。そのため、複数の市区町村に不動産を保有している場合、市区町村ごとに名寄帳を取得しなければなりません。しかし、どの市区町村に不動産が所在しているかも不明な場合は、売買契約書や登記簿謄本をもとに調べたり、専門家に調査を依頼したりなどの対応が必要になることもあります。

未登記や非課税の不動産も名寄帳に記載される

固定資産税納税通知書の課税明細書と異なり、名寄帳は非課税や未登記の不動産の情報も記載されます。例えば、未登記でありながら、固定資産税を支払っている未登記不動産を発見できるケースもあります。

取得や売却をした年が記載されない

名寄帳に掲載される記録は、その年の1月1日時点のもの。そのため、1月2日以降に取得・相続した不動産の情報は、翌年の名寄帳に記載されるというわけです。つまり不動産の取得や売却を行った月日は、名寄帳には記載されないので注意が必要です。

市区町村によって名称が異なる

「名寄帳兼課税台帳」「土地・家屋名寄帳」「土地家屋課税台帳」「固定資産課税台帳」など、名寄帳には複数の呼び名があります。意味合いは変わりませんが、市区町村によっては「名寄帳」と呼ばないということを念頭に置いておきましょう。

法人名義の不動産は記載されない

名寄帳に記載されるのは、個人名義で所有する不動産です。そのため、その個人が会社を経営している場合は、法人名義でも名寄帳を取得することで、所有する不動産の内容を正確に把握することができるでしょう。

名寄帳は、土地や建物の所有状況を確かめる際に役立つ書類です。ただし、取得の際に注意すべきことがあることも念頭に置いておけるとよいでしょう。ぜひこのコラムを参考に、名寄帳を上手に活用してみてくださいね。

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