相続手続きの代行サービスを利用するメリットとは
     

相続コラム

相続手続きの代行サービスを利用するメリットとは

2024/07/31 相続コラム

相続が発生した際、専門家に手続きを依頼できる代行サービスというものがあります。

このコラムでは、このサービスの特徴やメリット、専門家ごとの手続きの対応範囲など、代行サービスを検討中の方に必要な情報をまとめてご紹介します。

相続手続きの代行サービスとは

相続手続きの代行サービスは、故人の遺産を相続する際に必要な複雑な手続きを、専門家が遺族に代わって行うサービスです。主に弁護士、税理士、司法書士などの専門家が代行して手続きを行います。

サービス内容には、遺産相続に関する書類作成、相続税の計算と申告、不動産や株式などの名義変更手続き、遺産分割の調整などが含まれます。また、相続放棄などの特殊なケースにも対応します。

このサービスを利用することで、遺族は時間と労力を軽減できるだけでなく、専門家による正確な手続きを行うことが可能になります。さらに、煩雑な手続きによるストレスも減らせるでしょう。

ただし、費用や具体的なサービス内容は、依頼する専門家によって異なるため、複数の業者に相談して比較検討することが推奨されます。なお、専門家によるサービスの違いについては後述します。

相続手続きの代行サービスのメリット

ここでは、代行サービスを利用することで得られる代表的なメリットについてご紹介します。

専門知識の活用

相続に関する法律や税務の専門家が手続きを行うことで、複雑な相続問題に適切に対応できます。

相続法や税法は頻繁に改正されるだけでなく、また個々の状況によって適用される規則が異なることも多いため、一般の方が全てを把握するのは非常に困難と言えます。

最新の法改正や判例に精通している専門家は、各家族の固有の状況に応じた最適な対応を提案できます。

また、相続と派生した法律(不動産法、会社法など)との整合性も考慮した総合的なアドバイスが可能となり、将来的なリスクを最小限に抑えることができます。

時間と労力の節約

煩雑な書類作成や各種手続きを専門家が代行してくれるため、遺族の負担が大幅に軽減されます。

相続手続きには、戸籍謄本の取得や遺産目録の作成、相続税の申告書類の準備など、多岐にわたる作業が必要です。これらの作業は時間がかかるだけでなく、専門的な知識も要求されます。

代行サービスを利用することで、遺族は煩わしい手続きから解放され、亡くなった家族との最後の時間を大切に過ごすことができるでしょう。

また、遠方に住む相続人の場合、何度も実家に戻る必要がなくなり、交通費や宿泊費の節約にもつながります。

ストレス軽減

専門家に任せることで、遺族の精神的負担やストレスも軽減できます。

相続手続きは、愛する人を失った直後の精神的に不安定な時期に行わなければならないことが多く、遺族にとって大きな負担となります。

専門家が介入することで、遺族は手続きの細かな部分を心配する必要がなくなり、故人を偲び、家族や親族と時間を過ごすことに集中できます。

また、相続に関する不安や疑問にも専門家が丁寧に答えてくれるため、心理的な安心感も得られます。

さらに、相続に関する家族間の意見の相違や対立が生じた場合も、専門家が中立的な立場から調整を行うことで、家族関係の悪化を防ぐことにも繋がります。

ミスの防止

経験豊富な専門家が対応するため、手続きのミスや漏れを防ぐことができます。相続手続きには、期限の厳守や正確な書類の提出が求められます。専門家は豊富な経験と知識を活かし、必要な書類の準備から提出までを確実に行います。

例えば、相続税の申告では、わずかな記入ミスや計算間違いが後の追徴課税につながる可能性がありますが、専門家の関与によりそうしたリスクを大幅に減らすことができます。

また、相続に関連する様々な手続き(不動産の名義変更、預貯金の解約、保険金の請求など)を漏れなく行うことで、後々のトラブルをも防止します。

これにより、遺族は安心して相続プロセスを進めることができます。

遺産分割の円滑化

専門家が相続人の間に入ることで、遺族間の遺産分割の話し合いがスムーズに進むことが期待できます。遺産分割は、しばしば家族間の対立や感情的なもつれを引き起こす難しい問題です。

そこで専門家は中立的な立場から法律に基づいた公平な分割案を提示し、各相続人の意向を丁寧に聞き取りながら調整を行います。

また、不動産や事業用資産など、分割が難しい財産についても、専門的な知見を活かした解決策を提案することができます。

さらに、相続人全員の合意が得られない場合の調停や審判の申立てなど、法的手続きへの移行についても適切なアドバイスを提供してくれます。

このように家族関係を損なうことなく、遺産分割を実現する可能性が高まります。

相続税の最適化

税務の専門家は、合法的な範囲内で相続税を最小限に抑える方策を提案できます。

相続人の状況に応じた各種特例の申告だけでなく、生前贈与の活用や相続時精算課税制度の選択など、中長期的な視点での相続税対策も検討してくれるでしょう。

また、事業承継税制など、特殊な状況下での税制優遇措置についても精通しており、事業を承継する際の税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

これらの専門的なアプローチにより、相続人の税負担を最小限に抑えつつ、適正な申告を行うことができます。

トラブル回避

専門家による適切な手続きにより、将来的な相続トラブルを未然に防ぐことができます。

相続に関するトラブルは、手続きの不備や法的知識の不足から生じることが多くあります。専門家による適切な対応は、こうしたリスクを大幅に減少させます。

例えば、遺言書の作成や解釈、相続放棄の手続き、相続人の範囲の特定など、法的に重要な事項を正確に処理することで、後日の生じうる家族間の関係悪化や追徴課税、予期せぬ法的問題などを防ぐことができます。

こうした予防的アプローチは、滞りなく相続の手続きを進めることに役立ちます。

相続手続きの対応範囲が専門家によって異なる

相続手続きの代行サービスを利用する際、重要な注意点の一つに各専門家ごとに対応できる手続きの範囲が異なるということがあります。

相続手続きには様々な専門分野が関わるため、サービスを提供する専門家の職種によって、対応できる範囲が大きく異なります。

以下では、それぞれの専門家が対応できる分野について紹介します。

これらの専門家は、それぞれの専門分野に特化したサービスを提供しますが、一方で他の分野については対応できない場合があります。

したがって、相続手続きの代行サービスを選ぶ際は、相続手続きのどの分野においてサポートが必要なのかを精査する必要があります。

また、複雑な相続の場合は、複数の専門家が連携した総合的な相続サポートを提供する会社を選ぶのも一つの選択肢と言えます。

こうすることで、必要に応じて複数の専門家のサービスを組み合わせることができ、漏れのない相続手続きを行うことができるでしょう。

相続手続きの基本的な流れ

最後に、相続手続きの流れを確認しましょう。

①遺言書の有無の確認

被相続人が遺言書を残していないか確認します。遺言書がある場合は、その内容に従って相続を進めることになります。

②相続人の確定

次に、法定相続人を特定します。戸籍謄本を取得して、配偶者、子、親、兄弟姉妹などの相続人を確認します。

③相続財産の調査

預貯金、不動産、有価証券、生命保険金、負債など、被相続人が所有していた財産を調査します。

④遺産分割協議(遺言書がない場合)

相続人間で話し合いを行い、誰がどの財産を相続するかを決定します。この結果を「遺産分割協議書」を作成し、まとめます。

⑤各種名義変更手続き

不動産、預貯金、株式などの名義を相続人に変更する手続きを行います。

⑥相続税の申告・納付

相続税の課税対象となる場合は、相続開始を知った日から10ヶ月以内に申告・納付を行います。

相続が発生すると、煩雑な手続きが多く、手間取る人も少なくありません。

一方で、相続手続きの代行サービスは、相続人となった人たちの時間や労力、そして精神的な負担も軽減してくれます。ぜひこのコラムを参考に依頼を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事の監修者

税理士 佐野理子

税理士
佐野理子

相続担当税理士として、お客様からのご相談をお受けさせていただいております。
これまで多くの相続税申告に携わってまいりました経験をもとに、相続人のみなさま方の立場に立ってご相談をお受けし、申告業務を進めさせていただきます。

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