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死亡後に支払う5つの税金を解説|死亡保険金にかかる税金や注意点も解説
2024/01/28 相続コラム
目次
- 死亡後に支払う税金の種類
- 死亡保険金にかかる税金
- 準確定申告
- 死亡後の税金に関する注意点
など、死亡後にかかる税金に関する大切な知識をご紹介します。
死亡後に支払う税金の種類
死亡後に支払う税金として代表的なのが相続税です。しかし被相続人に収入があったり、特定の種類の財産を所有していたりなど、被相続人の財産の状況次第で複数の税金を支払う必要があります。主に以下の5つの税金が該当します。
- 相続税
- 所得税
- 住民税
- 固定資産税
- 登録免許税
それぞれ詳しく解説していきます。
相続税
一定額を超える遺産を相続すると、相続税が課されます。ただし、相続税の基礎控除額を超えない場合は非課税となります。基礎控除額は以下のように計算します。
基礎控除額の計算方法:3,000万円+600万円×法定相続人の数
なお、相続税には申告期限が設けられています。「相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内」が期限となり、この期限を過ぎてしまうと延滞税が課されることにも注意が必要です。
所得税
所得税とは、亡くなった本人の所得にかかる税金です。亡くなった年に故人に一定以上の収入があった場合や、故人が毎年確定申告を行っていた場合には、後述する準確定申告書の提出も必要です。
住民税
住民税は所得税と同様に、故人の所得にかかわる税金です。しかし住民税は、故人の前年度の所得を基に計算されます。また1月1日時点で納税義務が確定するため、被相続人が亡くなった日が1月1日以前である場合、翌年度の住民税の納税は不要です。つまり、被相続人の死亡が1月2日以降である場合が、翌年度住民税の課税対象というわけです。実際に支払うことになる税金は、6月頃に自治体から届く納税通知書で確認できます。
固定資産税
固定資産税は住民税と同様に、1月1日時点で納税義務が確定します。つまり、納税するのは、1月1日時点の所有者となります。被相続人が1月1日以降に亡くなった場合は、被相続人の名義で課税されますが、該当不動産を相続した相続人が納税することになります。
登録免許税
故人の不動産を相続したのち、名義を相続人に変更する相続登記を行います。登録免許税とは、この登記の際に相続人に対して課税される税金です。税額は、土地と建物それぞれに固定資産税評価額×0.4%で計算します。
死亡保険金にかかる税金
被相続人の死亡保険金を被保険者が受け取る際にも、保険の契約内容次第で課税対象となる税金が生じる可能性があります。特に下記で紹介するケースには注意が必要です。
相続税が課税されるケース
- 被保険者:夫
- 契約者:夫
- 保険金受取人:妻
所得税・住民税が課税されるケース
- 被保険者:夫
- 契約者:妻
- 保険金受取人:妻
贈与税が課税されるケース
- 被保険者:夫
- 契約者:妻
- 保険金受取人:子
準確定申告
準確定申告とは、被相続人が亡くなる前に所得を得ていた場合におこなう所得税の申告です。実際には、相続人が代わりにおこなう手続きです。準確定申告の対象者は、給与所得・事業所得・不動産所得・譲渡所得などの所得が20万円を超える被相続人です。なお、申告は相続開始を知った日の翌日から4カ月以内が期限です。また、準確定申告には確定申告書と併せて以下の書類が必要です。
準確定申告に必要な書類
- 確定申告書
- 所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表
- 被相続人の源泉徴収票や控除証明書
- 被相続人の医療費の領収書
- 委任状(代理人が申告する場合)
死亡後の税金に関する注意点
被相続人の死亡後に発生する税金に関して、気をつけておくべきこともいくつか存在します。ここでは実際に納税手続きを進める相続人が間違えやすいことや勘違いしていることを紹介しています。
未納・滞納の税金について
生前、被相続人が税金を未納や滞納していた場合、相続人に支払いの義務が課されます。ただし、支払う必要があるのは、故人の財産を相続する場合のみです。相続人同士で話し合い「相続放棄」をする場合は、納税の義務はありません。
遺族年金について
故人が厚生年金や国民年金に加入していた場合、遺族に「遺族年金」が給付されます。この遺族年金には、相続税や所得税、住民税などの税金は課税されません。
マイナスの財産について
故人の遺産を相続する際、遺産の中には、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も存在します。先述した未納・滞納している税金もマイナスの財産に該当します。このような税金を含むマイナスの財産も相続人に納税の義務が課されることに注意しましょう。
このように、被相続人が亡くなった後に発生する税金は複数存在します。また、納税する金額や税金の種類は、被相続人が所有する遺産や得ている所得によってもさまざまです。このコラムで紹介した基本知識を基に、納税漏れがないように準備をすすめましょう。
この記事の監修者
税理士
佐野理子
相続担当税理士として、お客様からのご相談をお受けさせていただいております。
これまで多くの相続税申告に携わってまいりました経験をもとに、相続人のみなさま方の立場に立ってご相談をお受けし、申告業務を進めさせていただきます。